手の届く距離で
オレも高校に入学してしばらくは電車で通っていたのだが、バンドのメンバーの家の方向が一緒で帰り途中に色々寄り道することも多くなり、自転車で通う日が増えていた。


「今日は自転車で帰ろう。」


「わたし自転車じゃ無いよ??」


「後ろに乗って行けばいいよ。」


「ぇえ!?わたし重いよ!!こげ無いよぉ?!」


「大丈夫だよ。」

半分無視して二人乗りで帰ることにした。


「じゃあ帰ろう。」


「絶対ムリだよぅ…」

千恵はぶつぶつ言いながらも着いて来た。



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