手の届く距離で
「これ。」
席を立ち、駄菓子の並んでいる端に置いてあるラメックを3つ持って来た。
それはベビースターの小さい版の様な昔からあるお菓子だ。
「これ20円。(笑」
「キャベツ30円。(笑」
「合計250円で食べれるよ。。」
「すごい面白いねぇ。ここ(笑」
千恵は明らかに戸惑っていたが、予想通りだった。
もしかしたらこんな感じの店には来たことがあるかな?とも思ったが、初めてだったようだ。
オレも千恵も東京の田舎、下町育ちだったため、家から近いところに昔ながらの駄菓子屋はいくつもあった。
中にはタコ焼きを焼いている店やゲーム機が置いてある店なんかもあったが、この「もんじゃ」を食べさせる店は初めてだったらしい。
実際、この店はまだ家からはちょっと離れた位置にあった。
「なんかお菓子食べる?」
「う、うん・・・(笑」
千恵は、戸惑いながらも嫌ではなさそうだな…と感じさせてくれた。