手の届く距離で
「こんな店あるんだねぇ〜〜!」
「うん。他にももんじゃ食べられるところあるよ。」
「そうなんだぁ!なんかすごいね?!」
「よくこんなトコ知ってるよね。」
「自転車で片道13キロも走ってれば色々見つけるよ。」
「でも普通こんな怪しい店寄らないよ。(笑」
「そぅお?」
「だって気になる店ってそんなトコじゃ無い
」
オレはそんな下町ならでは?の店や珍しい店が好きだった。
学校からの帰り道は毎日変えていたので、おのずと路地裏の店まで知ることになった。
「もっと色々連れて行って欲しかったなぁ…。」
なにか言い回しが変だ。
「これから連れてくよ。」
こんな店ばかりに連れて行かれたいかは微妙だよな…とは思いながらそう答えた。
「・・・うん…。」
さらに微妙な千恵の返事にも言いようの無い不安を感じずにはいられなかった。