手の届く距離で
「じゃあ行こうか。」


「うん。」


また二人乗りでオレは千恵の家の方向に向かった。


「こういうの、もっと早くいっぱいすれば良かったね。」

不意に千恵が言った。


「ああ、そうだね。」


「純くんって活動的なのかそうじゃ無いのかよく分かんないよね。」


「そう?普通じゃん?」


「普通じゃないよ!(笑」「変わってるょ。」


「そぅお?」


家が近付いてきたが、まだもう少し千恵と話したかった。

「ちょっと公園寄ってく?」


「いいけど、純くん帰らなくて大丈夫?」


「別に何も無ぃし。」


缶ジュースを買い、いつもの青が剥がれたベンチに座った。

そして、いつもの様に無言・・・。


千恵が口を開いた。


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