手の届く距離で
「電話してみるか…」


一階ロビーの公衆電話から電話をかけてみることにした。


「プルルルルルルルル。プルルルルルルルル。」


「・・・。」
「誰も出ない?体調が悪くて寝てるのかなぁ…」


とりあえずそれしか考えられないので教室に戻ることにした。



「純、今日みんなでファミレス寄ってくけど行くだろ?今日バイトあるの?」


アツシが誘って来たが、これはいつものことになっていた。


「今日ねー・・・。」


「ん?なんかあんの?」


「今日、千恵が学校休んでんだけど、家に電話かけてみたけど誰も出ないんだよね。だから帰りにちょっと行ってみようかなって思ってたからさ。」


「風邪だろ?行った方が迷惑だろう。」


「ん〜〜・・・そうかも知れないんだけどさぁ。」


「ゼッテェそうだよ!」
「行こうぜ!今日はバンド名決めるってみんなで言ってたじゃん!」


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