手の届く距離で
「みるく金時!」
何度も熟慮を繰り返した結果、なんと、決まってしまった。
そう!「みるく金時」に・・・
なんとも緊張感の無い名だ。
別に賛成した訳でも無いが、反対もせず、まぁ適当でいいだろうと軽く考えていた。
この先何年付き合う呼び名になるなかなんて考えもせずに。
とりあえず決まったのでオレは先に帰ることにした。
まだ千恵のことが気になっていた。
だが、この時既に18時を過ぎ、千恵の家に行くには迷惑度が更にUPしていたのだった。
「どうしよう・・・」
悩みながらも自転車を漕ぎ出し、先を急いだ。
「どうしようどうしようどうしようどうしよう」
「電話したら千恵が急いで取ってくれるかなぁ…」
いつもはだいたい千恵がわざわざ電話を手元に置いておいてくれたのだが、今日に限ってはそれも無さそうだ。