手の届く距離で
トボトボと歩き、いつもの公園のベンチに着いた。
とりあえず座った。
「どうしよう・・・」
何がどうしようなのか、何を考えればいいのかも分からない。
「どうしよう・・・」
何の結論も出せない「どうしよう」が心の中で何度もただひたすら繰り返される。
途方に暮れると言うのはこういうことだろうか。
「そういえば、バンドのみんなはもう帰ったのだろうか…。」
「みんなと一緒にご飯でも食べてもっとワイワイやって真っ直ぐ帰ればよかったんだろうか?」
「いや、来てよかった気もする。」
「ホントに?」
意味の無い自問自答を繰り返し、半分はボーっとしながら、ただ時間だけだ過ぎていった。
「帰るか…。」
自問自答のネタも尽きたところで、家に向かうことにした。
自転車を漕ぐ気力は無く、またトボトボと歩き出した。