手の届く距離で
第10節.3日目
次の日、千恵はまた欠席していた。
「今日こそ千恵のお見舞いに行く?」
いや、何か行きづらい…
「青木は行ったのに?」
「お前は行かなくていいの?」
いや、行きたくない。
「電話する?」
「青木は家までお見舞いに行ってるのに?」
そんなの関係無い。
そう関係無い。
「千恵のことを考えるのはもうやめたら?」
いや、やめられ無いよ。
「いいよ。やめちゃえよ。」
「やめちゃえよ・・・」
「・・・。」
自問自答を授業中も一日中繰り返していた。
さらに次の日、千恵はまた休んだ。
休んだらしい…。
そう後で知った。
もう来ているのかどうかを確かめには行かなかった。
そう。関係ないから。