手の届く距離で
それまでは2日に一回、いや下手すると毎日、話しベタでも電話をしていたのだが、千恵が休んだ日以降、一度も電話をしていなかった。
「母さん、今日誰かから電話無かった?」
「誰かって千恵ちゃん?」
母親もここ最近、電話をしていないのには気付いていた。
「千恵ちゃんと別れちゃったの?」
こういうことを平気で言って来る母親だ。
「別に…。」
既にあれから2週間が経ってしまっていた。
予定の連絡もしなかったが、千恵からも何も言って来なかった。
原因は、千恵が久々に学校に来た、あの日のオレの態度にあるのだろうか…。
もしかするとそれ以外にあるのか?…。
とにかく、学校でもほとんど顔を合わせない日が続いていた。