手の届く距離で
入学して間もなく、仲の良い何人かで
「バンドをやろう!」と言う話が持ち上がった。


ピアノを小さい頃から習っていたこともあり、キーボードでもやってみるか、と参加したのだが、すぐにギターがやってみたくなった…。


そして、そのバンドを中心とした仲の良い集団の中に、あの「水野」も居た。


「ぇえっ?!バンドでやるならこっちの曲でしょ〜!」
「絶対こっち!!」
「聞いてあげないよ〜?!」


「別にいいよ〜!!」
「メンバーじゃ無いのに口出すな!」

「バカはるか!!」


そんなくだらないやり取りが、ボーカルの真司や他のメンバーとの間で繰り広げられていた。



持ち前の明るさで、いいスパイスをみんなに与えていた。


オレにとってもいつからか、居心地のいい集団になっていた。



そして自然に、

「水野はるか」

ともバカ話が出来る様になっていた。



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