秋空
新人戦ダー前編
運動会、カラオケいろんなことが終わりまたわずかな日常が訪れる。

文化祭(合唱コンクール)まであと1ヶ月半。

しかし、今は今週に迫った秋の新人戦に向けて練習している。

天気が崩れて室内トレーニングがメインになっている。

「このまま降り続けるかもしれないな。」

校舎を走り窓を見ながら僕が隣に走っている慎也に声をかける。

「延期はテンション落ちるからあんまりしてほしくないな。」

息が上がりしゃべるのが辛いせいか、口数少なく話をやめる。

「このつまらないランニングも、ひろみと走れば多少は楽しいだろうに。」

慎也がぼやく。

室内トレーニングの時は男女別で行うので、晴れた方がいろんな意味でうれしいが、天気予報はずっと雨マークだった。

長い沈黙。

ただもくもくと走り続ける。

僕たちは部活が終わるまで話すことをしなかった。

空が曇れば心も曇る、雨はやむこともなく試合前日まで降り続いた。
< 16 / 88 >

この作品をシェア

pagetop