秋空
試合はどんどん進んでいった。

僕たちは、誰も負けずにベスト32まできた。

やっぱり愛花の動きの悪さが気になってはいたが、何か事件が起きるわけではなかったのでなにもせずに放っておいた。

次の大会に進むためには、16以上に入らなければならない。

つまり、あと一回勝てば次の大会に進める。

まずは第一シードの慎也からだ。

「こんなところで俺様が負ける訳ねーよ。」

その言葉どうり1ゲームも取られることなくベスト16へ駒を進め。

僕はギリギリで勝利し、ベスト16へ進出した。

ひろみは最終ゲームまでもつれ込む激闘の末勝ちをおさめてベスト16へ。

しかし愛花はこの大事な試合で初戦よりもミスを連発。

まさに自滅のように、負けてしまった。

「ゴメン。負けちゃった。」

負けた割にはそんなに気落ちすることもなく、サバサバしていた。

「私、コート整備してくるから。」

だったったと走り去っていく愛花を僕は見送っていた。
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