秋空
カッカッカッ

長い廊下を一歩一歩歩く。

部活に行っているようで、誰もいない。

「なんか静かで不気味だな。なんかシーンとした感じは落ち着かないぜ。」

慎也が一人で盛り上げようとしている。

もともと落ち着かない性格をしているので、この雰囲気に耐えられなくなったんだろう。

そうこうしているうちに、教室の前までたどり着いた。

ガラッ

ドアを開けて教室のね中に入る。

僕の席はクラスの真ん中だ。

真ん中の列ではなく中心である。
5×5の真ん中の席の机の上を見る。

「あったあった。」

机の上には、四角い箱がぽつんと残っていた。

「よし、慎也帰ろうぜ。」

と後ろを振り向いても慎也の姿がない。

辺りを見回して見ると、僕より前に、つまり教卓の前に立っている。

「なにしてんの。」

僕が近づいて行くと、こっちを見る。

「これはさすがにやっちゃ駄目だよな。」

慎也が机の上を指差す。

そこには、女子の制服がのっていた。

女子にはよくあることだが、キチッとたたんである。

「うへ。」

僕は驚いて、一歩後ろへ下がる。

よく考えてみると、女子テニス部はいつも室内の時、着替えるところがないと嘆いていた。
どこで着替えているのか知らなかったが、まさか教室で着替えているとは知らなかった。
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