秋空

慎也運命の日

2日前は晴れ。

昨日は雨。

全く来たことのないコートだったので、打ちたかったが天気には逆らえなかった。

大会は県外なので、前日から泊まっている。

そして今日は晴れ。

雨と晴れを繰り返す中運良く今日は晴れた。

今日の大会についての意気込みは、

「もちろん優勝しか眼中にねぇ。」

と、慎也の強気のコメント。

「今日しか出ないから、少しでも多く。勝ちたい。」

と、愛花の普通のコメント。

「がんばるだけ。」

と、ひろみの淡白なコメント。

今日はダブルス。

しかし今回も二組とも、小シードを獲得して昼頃まで暇だった。

そう言うこともあって、慎也が提案してきたのは、

「男女一人ずつでアップしようぜ。」

なんてことを言ってきた。

組合せは決まったも同然だった。

僕と愛花、慎也とひろみ。

二人きりになる口実だとすぐにわかった。

が、暇には変わりないのと、愛花のユニフォーム姿が可愛く、見ていたかったのもあって、異義はなかった。

「じゃあ別れてアップ開始。」

慎也が張り切ってしきる。

「どこに行くつもりなんだ。」

僕の問いかけに、

「あそこの超小さい山を歩こうと思ってる。」

「まぁ、どこ行ってもいいんだけど、ほい。」

僕はプリペイド携帯電話を渡す。

「一応連絡用な。僕らはこの辺にいるから、試合が早まったりとか、なんかあったら連絡するから無くすなよ。」

慎也は携帯電話を受け取り一言

「任せとけ。」

「じゃあ二時間後ここに。」

「おう。」

「じゃあね〜」

「行ってきます。」

挨拶を交わして僕たちは別れた。
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