秋空
その声の大きさが、いつもより少し大きいぐらいになり、

「どうして・・・どうして好きでいられるの。」

ひろみの涙の川の水量が増す。

俺の方を見上げて訴えてくる。

その質問に俺は答え始める。

「理由は、好きだからだけじゃない。ちょっと長くなるけど聞いてくれるか。」

俺の問いかけに、嗚咽を我慢して、頷く。

「俺には母親がいないことは知ってると思う。小さい頃に死んだ。初めて会ったときのこと覚えてるか。あの時は[なんで知らない奴が出しゃばってくるんだ。]とか思って嫌いだった。でも、その後も、何回も俺の行動にケチつけ続けてくれた。大概の奴は一度で聞かないと見放すのに・・・その時俺は思ったんだよ。母親ってこんな感じなのかなぁって。んで、いつしかひろみと話すためだけに、バカみたいな行動をし続けた。」

俺は、休憩を取るように少し間隔あけてまた話し出す。

「でもバカだよな〜、俺って。ひろみを母親の代わりだと思ってたなんて。でも今は純粋に女の子として好きになった。一学期、この学年になってすぐの・・出ていった二人は知らな
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