サヨナラを告げるくらい


有里の部屋に向かう途中、前よりも強く思うようになった。

「わー、有里の家とか久しぶりだー。」
「美歩、3日前にもきてたよね。」
「でも久しぶりー。」
「…はいはい。」

つまらなそうに、振り返りもせずに有里は答える。


有里、本当だよ。
たったの3日間の中でもね?
私はいくつも、思い出せなくなる。


学校でだって、毎日会って、一緒にいる。
けどそれって、1日っていう時間の中のどれくらい?
一日の何%ですか?

出来るなら70%、欲しいかな。



こんな私が有里と会えなくなったらって、考えてしまう事がある。
本来なら会えなくても不思議じゃない。
元は仲良かったわけじゃないし。
だけど有里に会えない日なんて一日だって必要ない。


私は欲しくなんて無い。



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