恋愛ブランク






「う、わー…もしかして俺、邪魔物?」


「あ」



やばい。あ、とか言ってしまった。だって図書室に入ってきたのは、入学式で話題だった、上沢優仁だったから。


彼は私と目が合うなり、「うおお!!」なんて声を上げて近寄ってきた。



「見つけた、愛子さん」


「え」


「俺、あんたを探してた」


上沢優仁は私の座っていた席の前の席に、さも当たり前のごとく座った。私を探してた?なんで?私あなたと会ったことないよね。とりあえず首を傾げると、彼は笑い出す。



「だよな、分かる訳ないっスよね」





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