恋愛ブランク






「愛子さん」


「……」


「愛子さんってば!」


「…なによ!!」



しまった…!ムキになっちゃった。思いっきり振り返ると、上沢くんは一瞬びっくりしたような顔をしたあと、にやりと笑った。



「俺、昨日あれから、よーく考えたんスよ」


「は?」


「確かに、いきなり信じろって言われても無理ですよね」



こいつはなにを履き違えてるんだ。廊下の壁に、頭を打ち付けそうになる。そうとも知らずに、上沢くんは話しを続ける。



「だから、愛子さん、俺にまずチャンスをくれよ」


「…なんの」


「愛子さんの1番自信のあるもので、勝負しましょう」



こいつ、馬鹿なのか





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