恋愛ブランク






「……おけがわ、あいこ」


だけど目が合った瞬間、彼は一瞬目を見開いて、次に口元を少し上げた。そして周りに聞こえるか聞こえないかの声でそう私の名前を呟いた。…なんで私の名前を知ってるんだ?


彼は私から視線を外すと、列の波に乗って歩いて行ってしまった。



「なんか、上沢くんこっち見てたね」


「なんだろうね」



ほんとに、何なんだ。





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