[特別版]最強姫〜蘭蝶と白虎に愛されて〜



自販機の横にあったベンチ、そこに顔を膝に埋めて座っている女がいたから。



その姿はなんだか今にも消えてしまいそうで、思わず声をかけていた。



「なぁ・・・」



女はビクッと体を震わせ、恐る恐ると顔を上げた。



女の顔を見るとその大きな瞳と白い肌の頬が涙で濡れていた。



「あ・・・」



女は慌てて涙を拭ったが、涙は止まることを知らずに流れている。



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