[特別版]最強姫〜蘭蝶と白虎に愛されて〜
「何があったんだ…?」
「っ…。」
「大丈夫だ。何があっても俺が守ってやるから。」
俺は震える優衣を抱き締めた。
「あの…ね…わたしのこの髪と目が気持ち悪い…って言われて……いじめられた…。」
優衣はこの時、まだカツラもカラコンもしていなかった。
学校も出かけるときも、何もつけていなかった。
「優衣…大丈夫だ。俺や優斗、紘斗だって、髪の色は違うけど、目の色は同じだ……兄妹の証なんだから…。」
「……っ…ぅん…。」
「優衣…泣いていいんだから…声をあげて泣いていいんだから…。」
「れい…にぃ…うわあぁぁぁぁん!!」
俺は声を出して泣き続ける優衣の頭をずっと撫でていた。