[特別版]最強姫〜蘭蝶と白虎に愛されて〜



着いた場所はいじめられた時に、怜兄が探しに来てくれた公園だった。



公園には、誰もいなかったから私はその場で泣き崩れた。



とめどなく、溢れてくる涙………。


それはとまることを知らない。



怜兄…いつもみたいに「優衣は俺が守るから」って言って、抱き締めてよ………。



「綺麗な髪だ」って言って、いつもみたいに優しく頭を撫でてよ………。



寂しい…寂しいよ…怜兄…。



「怜兄!!」


って言って、その温かい胸に飛び込みたいよ………。


でも、現実はそう甘くなく、当たり前だった大きな手の温もりも、温かい胸も、今はもうないんだ…………。





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