地獄の女王様

『私は起きたらここにいた…
ここはどこなのよ
そこから説明していただきたいわ…』
ハッと思い出したように息を飲むと羽休めに相手の膝に座ると天使は声を低くして言われた
『ここは…死後の世界
生きていた時に極悪非道な行いをした人間が反省するために用意された部屋です
ですが、神が試練をお与えになると同時に精神を病んで悪い道に進む者…等々
悪人はどうしても生まれてしまうものです
しかし生きていた頃の記憶なんてあるはずがない
だから反省の仕様がないのです
けどその人たちをまたそのまま次の世代として胎内から生まれさせたとしても…同じ事を繰り返すだけです
そこで今生きている人を悪い道から守るために人間に成りきって運命を変える、という重要な役割を与える事によって汚れた心を洗おうという事になりました』
『つ、つまり…アタシは何か極悪非道な行いをしたから…ここにいるって事…？』
ガクガク震えながら頭を抱えこむ女王
どうやら心の奥底のどこかに心当たりはあるらしい
額からは脂汗がどっとふきだし目は見開かれている
『女王…今思い出す必要はありません
まだ…今は…
でもいずれ反省しなければいけない時が来ます
その時に…また反省しましょう』