オネェ彼氏
「あのさ、亮次。女になりたいとか思ってる?」


「…思ってない。だってこれ趣味だし。」


「じゃあ男子にときめいたりしたことない?」


「言ってる意味がわかんない。僕男だよ?男を好きになるわけないじゃん。」


ああ、この人はただの趣味らしい。


よかった。

少し安堵したのもつかの間だった。

亮次が私をベッドに押し倒したのだ。

「嫌いになったんでしょ?」

顔を上げると亮次の目から今にも涙がこぼれてきそうだった。

ちがう。


きらいになんかなんない。
「女々しい僕が嫌いになった?」

そんなわけない。

だって亮次の目は男らしいんだもん。

「ちが…う。」


「本当?」


頬に温かいモノが落ちた。

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