眠り続ける君へ
沙雪

へんだね

思いつきでつけた名前なのに

ずっと君の名前がそうだった気がする


そして

僕たちがずっと友達であったと


実はひとりぼっちなんだ

いや

ひとりぼっちだった


両親とも死に別れ

兄弟もいない



友人もあまりいないし

彼らは家族にはなれない


僕は君を家族だと思うようにする


君の本当の家族が現れるまで

それまででいいから

そう思ってもいいかな



ドクターが君の入院費用をどうする

そうたずねてきたから


僕が払いますっていってしまった


それでいいよね

家族なんだから


『君の家族はどういう人かな

   兄弟はいるのかな』


君と出逢う少し前に

僕は会社に辞表を出してきた


きっと

君のために時間を使うことが

決められていたのかも知れないね
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