嘘つきな恋




だから、二人から同じ感じがしたんだね。

だから、二人と仲良くなれたんだね。

だから、二人とも好きなんだね…。


そう思ったら、二人が兄妹だと言うことがやっと腑に落ちた気がした。



「…“好き”、なんだ?」

「え?」



優しく細められた目には、少しだけ寂しさが残っていた。


「りょーちゃんのこと。」


……涼太のこと。
あたしは、涼太のことを……。


「…うん…、…好き…」



――多分、
初めて出逢った時から。

嫌いなんて口にしながら。

本当は――


「……大好きだって、思うよ」




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