嘘つきな恋




そして、あたしの抑えていた気持ちも落ちていく……。


「…あたし、…涼太も大切だけど、知紗も大切でねっ!

…ひっく……知紗に嫌われたくなくて…ずっと言えなくて…。

…知紗が初めて『親友だ』って言ってくれたから…。」


あたし、今でもあのときを覚えてるよ……。

あたしに恐る恐るだけど、ちゃんと近づいてくれたのは、知紗だけだったから――。


今のあたしがあるのは、
知紗のおかげでもあるんだよ?

だから、大切な、大切な…。


「…うん」

知紗はあたしの、途切れ途切れの話にしっかり応えてくれる。




< 102 / 146 >

この作品をシェア

pagetop