嘘つきな恋
だけどそれは、この男によって阻まれてしまった。
「…やっぱり…怒ってる…?」
「はぁ?」
見上げて初めて見た顔は、眉を下げて、本当に申し訳なさそうな顔をしていた。
てか、何で知らない人に絡まれてるんだ、あたし。
怒るも何も、誰よ、あんた。
「……悪いですけど、どちら様ですか。」
全然悪いなんて思ってない口調は、バレただろうか?
けど、その男は人懐っこそうな笑顔をあたしに向けた。
「俺は、小林 涼太!お前に勉強教えてもらう奴。よろしくな!」