嘘つきな恋
「そう?あたしは良いと思うけどなぁー」
伏せていた顔を上げれば、知紗はまた優しい笑顔。
「…どうして?」
分からない。
全然良くない、気持ちになるのに…。
「“ヤキモチ”って…“好き”っていう気持ちだと思うの」
「え?」
真っ直ぐ、晴れた空を見上げる知紗は。
大人のようで。
可愛い、じゃなく、綺麗。
「その人が、好きすぎて。
大好きだから。
自分だけのものにしたいって。
あなただけのものにしてって。
そういう独占欲の表れなんだ。
仕方ないよ。
だって、好きなんだもん。」