嘘つきな恋
「まぁ、だからさっ!気にしないで、りょーちゃんにバンバンとヤキモチ妬かせようっ!」
「うん」
「あのステキな気持ちを、
りょーちゃんにもいっぱい!
味あわせてあげようっ!
そうすれば、少し自信になるからっ!」
――知紗……。
「…うん…っ」
妬いてくれるかなんて、分からない。
けど、もし涼太がもう一度。
ヤキモチを妬いてくれたなら……。
「(あんのバカ兄貴!空ちゃんを不安にさせて、ただで済むと思うなよ☆)」
…こんなことを。
知沙が呟いてるなんて。
あたしは知らなかった。