嘘つきな恋
――ちっ。
この男が小林 涼太だったのか。
目鼻立ちがいいし。
おまけに茶色い髪が、子犬のような可愛さまで持たせている。
考えてみれば、この笑顔で人気があるのは当然だ。
でも、あたしにはやっぱり関係ない。
帰ろうって決めたら、来やがって…。
遅れて来るとか、最低だ。
一言言ってやる。
「小林 涼太。」
「なに?」
「あたし、あんたに勉強教えるつもりないから。勉強は嫌いじゃないけど、頑張るのはあんたで、あたしではないから。」