嘘つきな恋
ねぇ、お願い……。
あたしは期待と不安が1:9の眼差しを、必死で涼太に向ける。
…けど、涼太は全然こっちを見てくれない…。
そして。
「……俺が決めることじゃないだろ?」
……付き合ってなんかないんだから…、
ボソッと涼太は後から付け足すように呟いた。
その言葉で、ドキドキと音をたてていた胸は、ズキズキと痛んだ……。
前を見れば、知紗も。
たっちゃんすらも…。
あっちゃー、というような申し訳なさに顔をしかめている…。