嘘つきな恋
「遅れたのは本当にごめんっ!けど、ついさっき先生に言われてさ…」
…確かに…。
あの教師なら、やりかねない。
「俺、お前が待ってるって聞いてさ。これでも頑張って走って来たんだからな?」
額に浮いた汗を拭いながら、笑って言った。
あたしのために走るとか、バカじゃないの…?
…あたしだって聞いたなら、そのまま帰れば良かったのに…。
でも、ムカつく。
「『お前』って呼ばないでよ。」
馴れ馴れしすぎて、調子が狂ってしまうから。
……ムカつく。