嘘つきな恋




「遅れたのは本当にごめんっ!けど、ついさっき先生に言われてさ…」


…確かに…。
あの教師なら、やりかねない。


「俺、お前が待ってるって聞いてさ。これでも頑張って走って来たんだからな?」


額に浮いた汗を拭いながら、笑って言った。


あたしのために走るとか、バカじゃないの…?

…あたしだって聞いたなら、そのまま帰れば良かったのに…。

でも、ムカつく。


「『お前』って呼ばないでよ。」


馴れ馴れしすぎて、調子が狂ってしまうから。

……ムカつく。




< 14 / 146 >

この作品をシェア

pagetop