嘘つきな恋
空side
「はぁー!?わっかんねぇー!!」
「…こんなのも分かんないなんて。あんた、バカでしょ。」
「知ってるよ、そんくらい!
ってか、空こそ『涼太』って覚えられねぇーの!?」
「……うるさい。勉強しろ、バカ。」
あたしはあの日から毎日。
放課後の一時間を涼太と過ごしていた。
けど、ちゃんと『涼太』って呼んであげたのは、初めて逢った時だけ。
『バカ』『あんた』って、今も呼んでやってる。
相変わらず、涼太は何かとあたしをムカつかせる。
けど、それも少し馴れてきて、今では言い合いが出来るくらいになっていた。