嘘つきな恋




あたしはそれに応えるように、小さく頷いた。


それを見た涼太は、眩しすぎるくらいに微笑んで、また他の人との会話に戻って行った。


……バカ。
そんなの放課後聞けばいいでしょ?

わざわざ、バカ涼太…。


「……あの………宮下さん…」

声をかけられた方を向くと、この間数学の課題を聞いて来た子が立っていた。


「なに?」


あたしの問いかけに、その子はビクッと肩を震わせた。

……別に、怖がらせたい訳じゃないのに。




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