嘘つきな恋
空side
その日の放課後。
教室にはもうすでに、涼太の姿があった。
あたしと涼太の分の机をくっつけて、いつものようにあたしの前に座っている。
いつもなら、時間ギリギリなのに。
「お疲れ、空」
……あれ?
「……お疲れさま」
あたしは涼太にそう言って返したけど何か違和感。
涼太はいつも、もっとうるさいくらいに元気なのに。
……数学の問題も黙々と解いていくし。
「終わった」
30分くらい経って、そう言って差し出されたノートを、あたしはいつものように丸つけをする。