嘘つきな恋




涼太はとても言いたくなさそうに、口を開いた。


「…朝だけじゃなくてさ…、…昼休みも他のやつらに教えてただろ…?」


――そう。

あの子に教えているうちに、他の人達まで集まって来て、
結局あたしの昼休みまで潰して一人一人に教えてあげたのだ。

でも、それが……?


「空…楽しそうだったから…」

真っ直ぐ見つめられた瞳は、やっぱり寂しそうだった。


……涼太に、そんな風にに見られていたなんて。
あたしの胸が、またきゅーってした。


「……俺といる時よりも……」


そう小さな声で言った涼太は、やっぱり顔が赤かった――。




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