嘘つきな恋
「お~い、宮下ぁー!」
廊下を少しイライラしながら歩いていたあたしは、また後ろから声をかけられた。
舌打ちしたい気持ちを抑えた。
だって、その声は一応担任だったし。
「何ですか。」
だけど、ちょっとトゲがある言い方になってしまう。
でも、50代のベテラン男教師にもなれば、そんなことは気にしていないみたい。
にこにこ笑っている。
……もしくは、これもご機嫌取り?
「…実はなぁ、宮下に頼みがあってな…」
……やっぱり、ご機嫌取りだったのか。
めんどくさ…。
「何をでしょーか。」
「それがなぁ…」