嘘つきな恋




先生は恥ずかしげも無く、手を合わせて、あたしに懇願して来た。

……この人には、プライドとか言うのは無いのだろうか。


めんどくさい、めんどくさい、めんどくさい。

けど断るのも、めんどくさい。

“小林 涼太”

誰だか知らないけど、お前のせいで、あたしは今最強にめんどくさい状況なんですけど。


ムカつく。
会って一言言ってやりたい。
めんどくさいけど、絶対言ってやりたい。


「…分かりました。引き受けます。」

あたしがそう言うと先生は、ぱぁーっとますます明るい笑顔になった。




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