嘘つきな恋




「本当かっ!?いやー、さすが宮下っ!じゃあ、早速今日の放課後からっ!」

「分かりました。」


放課後とか。
残るのはいやだ。

けど、一言を言うため。
……仕方ない。



「同じクラスの奴の名前くらい、覚えてやれよ?もう2年も一緒なんだから」


そう言ってから、先生はスキップしそうな勢いでどこかに行ってしまった。


あたしが名前を覚えないのと、先生が生徒の世話を押し付けるのとは、どちらが職務放棄ですか。
なんて毒づいてやる暇も無いくらい、素早かった。



小林 涼太は同じクラスなのか。

女子に人気があるのか。

どうせ、ろくでもない他の人みたいなバカなんだろう。

あたしはうるさい教室に戻り、放課後が来るのを待った。




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