嘘つきな恋
空side
――あたしへと全員の視線が集中する。
シーンとした沈黙。
「……えぇっ!?空ちゃん、知らなかったのーっ?」
間を置いて、頭の中を整理して全てを理解した知紗が口を開いた。
あたしは、縦に首を振る。
何回も。
……だって、そんな話しなかったし…。
「たっちゃんとは、付き合って一周年でぇーす。」
こいつ、“たっちゃん”って呼ばれてるの?
似合わなーい。
ってか、そんな前からかいっ!!
なんてツッコミを心の中で入れながら、
「…それはそれは…、おめでとうございます…。」