嘘つきな恋
「もしかして、たっちゃんに何かされたっ!?」
「え?断じて何もしてないって」
「怪しいぃぃぃ……」
「…はぁ?…お前なぁ…」
バカップルの二人がケンカを始めそうだ……。
「…ひっく……ちがくて…」
あたしは泣き顔を見られたくなくて、思わずしゃがみ込んだ。
知紗は背中を優しくさすってくれる…。
「…どしたの、空ちゃん…?」
いつもは子犬みたいな知紗が、今はお姉さんみたいに見える。
ねぇ、知紗。
今なら、本当のことを言えるかな……?