嘘つきな恋
あたしは涙を拭いて立ち上がった。
もう、迷わない。
あたしは、知紗にちゃんと聞こう。
そして、知紗にちゃんと言おう……。
「…ちょっといいかな…?」
「うん、別のとこ行こっか?」
知紗は優しく笑ってくれた。
教室からあたし達が出て行くとき。
みんなが少し心配そうにしてたけど、あたしは笑った。
「…もう、大丈夫だから…」
――そう。
大丈夫。
あたしはもう、
“親友”に嘘なんてつかないから――。