もうひとりの…
彼女とは真逆に振る舞う私。常に親友と一緒にいて、親友だけに心を許す私。

方やうわべだけの付き合いで、心を許す人がいない彼女。

多分根本は同じで、それぞれ違う選択肢を選んでいだ私達。

別に何を話した訳ではないのに、何となく同じ匂いを感じ、反発し合っていた私達。

しかし今、マイナス同士のあの頃の気持ちががくっついて、プラスになろうとしていた。

彼女の死がなければ、決して解り合えることなどなかった。こんな形で、彼女の気持ちを知るなんて……

(こんな悲しいことって…)

私の胸は張り裂けそうだった。しかし、いくら胸に痛みを感じても、彼女はもう戻ってはこない。

痛い…
痛い…
胸が、痛いよ…

もう解り合うことも、反発し合うこともできない。

私の一方通行でしか、ない…



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