*初恋彼氏*
「ちょっと!何なのあなた、さっきから!」
それまで黙っていた亜希が怒ったトーンでしゃべる。
「裕也の趣味が分からないけど、確かに酷いことをしたわ。ごめんなさい」
悪口ばっかだった口から今度は謝罪の言葉が出る。
「酷いこと…」
あ、もしかして…
「もしかして、あなたが私の下駄箱や、家に写真を送ったの?」
「そうよ」
この人が…
「あなたなの?彩を泣かすようなことしたのは!」
亜希の腕が上がった。
亜希、この人を叩くつもりなの?
「亜希、止めて」
「どうして?彩を虐めた張本人だよ?」
「それでも、暴力はダメだよ」
「じゃあ、許すの?」