*初恋彼氏*

「ちょっと!何なのあなた、さっきから!」

それまで黙っていた亜希が怒ったトーンでしゃべる。

「裕也の趣味が分からないけど、確かに酷いことをしたわ。ごめんなさい」

悪口ばっかだった口から今度は謝罪の言葉が出る。

「酷いこと…」

あ、もしかして…

「もしかして、あなたが私の下駄箱や、家に写真を送ったの?」


「そうよ」

この人が…

「あなたなの?彩を泣かすようなことしたのは!」

亜希の腕が上がった。
亜希、この人を叩くつもりなの?

「亜希、止めて」

「どうして?彩を虐めた張本人だよ?」

「それでも、暴力はダメだよ」

「じゃあ、許すの?」







< 321 / 340 >

この作品をシェア

pagetop