*初恋彼氏*
どうしよう…
私、甘いの作っちゃったよ…
裕也、もらってくれるかな…
そんな不安を裕也の言葉が更に募らせる。
「俺、誰からもチョコもらわないし、他の奴にあげろよ」
そんなーと言いながら、裕也の周りにいた女子たちが去っていく。
裕也の言葉を聞いた私は思わず、紙袋を落としてしまった。
裕也、誰からもチョコもらう気がないんだ…
そんな裕也の気持ちも知らずに張り切っちゃって、何やってるんだろ、私。
「彩?」
裕也が私に気付いた。
「………ッ」
「あ…彩!?」
裕也を無視して、私は紙袋をサッと拾って走りだした。