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ガッシャーン------!!
その音を聞いて周りの視線があたしに向けられていることに気が付き
それでも暫くしてからあたしが交換しようとした灰皿が手から滑りおちたのだと気づいた。
「失礼しました」と頭を下げ、足元に落ちて行ったガラスの破片を拾おうとした時「あぶねぇだろ」と腕を掴まれた。
ーーーーーーっ!!!!
その瞬間、全身に鳥肌が立つ。
あたしは男から目線を放せずにいた。
「申し訳ございません、お怪我の方はないでしょうか?」
黒服が駆けつけるなり、頭を下げると「触らなくていいよ」と小さくあたしに告げ掃除動具で、ささっと片付けては席からいなくなった。
そんなことより、あたしの腕に触れた男の手。
冷たすぎた……
あまりにも冷たすぎて、あたしの心まで苦しくなるくらい。
この苦しさはなんなのか、よく分からないけれど。
頭の中では色んなことがグルグルと回っていて、どうにかなりそうだった。
いつも冷静なあたしが、こんな若い男のせいでテンパっている。
その理由はなんなのかなんて考えたくもない。
つばさ……
男はあたしにそう名乗った。