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「ごめんね」
そう言いながら、助手席に乗り込みシートベルトをすると「いいよ~捕まりたくないから」なんて笑いながら返してくれた。
「ごめん」
最近はこんなやり取りばかりだ。
車で来てる以上、お酒は飲まないように接客しなきゃいけないのに、最近は飲まなきゃやってられなくなってる自分がいる。
大きなため息を吐きだすと、バッグから小刻みにバイブ音が聞こえてきて、あたしはそれを急いで取り出した。
ーーー受信メール1件ありーーー
その画面を見るなり胸を撫で下ろした。
司くんのせいで携帯を確認することさえも忘れていた。
心配性な飛翔くんだから、返信しないと不安にさせてしまう。
黄色いランプが開く前から飛翔くんからのメールだと知らせてくれていて、あたしはチラッと千秋を確認しながらメールを開いた。
《終わったかな?お疲れ様》
いつもなら凄く嬉しいはずなのに、今日は司くんの言葉のせいでなぜだか悲しさのが勝ってしまう。
それでもあたしは返信ボタンを押し、画面に文字を打ち込んでいく
《終わったよ~今女の子と一緒に帰ってるよ~》
そう、何もなかったかのように……
こんな時、メール機能には感謝してしまう。
顔も見えず、声も聞こえないメール機能に……
そのまま送信ボタンを押すと、すぐに返信がくるだろうと、そのまま画面を見つめていた。