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それからのあたし達は、たとえ5分だけだとしても、
すれ違うだけだとしても、
ほんの一瞬、姿を見るだけにしても、どうにかしてでも顔をみようと必死だった。
唯一、長く一緒にいれるのは店へあたしが出勤する前と、店が終わった後のわずかな時間。
それだけでも、あたし達にとっては普段より長く一緒にいれる気がして、その数分の時間だけのために、飛翔くんはたとえ何処に居たとしても飛んできてくれた。
夜中は起きて待っていてくれて、あの秘密の場所に店が終わるころには、先に行って待ってくれている。
幸せだった。
飛翔くんが誰も超えることのできなかった、あたしの前にあった大きな大きな壁をよじ登ってくる。
いくつも持ち合わせていた仮面を1つずつ剥いでいく……
《ねぇ?今日も店の前に少しだけでも逢えるかな?》
《うん!!逢いたい、流奈も》
《よっしゃ!!じゃぁ、俺はパチ屋で待機してる~》
ねぇ?飛翔くん……
間違っていないよね?
あたし達が出逢ってしまったこと……
いつもそう聞けずにいる言葉達
もしも間違ってしまったと確信してしまった時は、
あたし達はこの運命さえもうらむことになっちゃうんだろう。
それって凄く悲しいこと……。
たとえそうだとしても、あたしはあなたを想い続けるでしょう……