~color~


この店に入ってから4年目、


今まで、お客さんに沢山の嘘を重ね、笑いごまかしてきた自分。


自分を守る為なら、どんな嘘でも付いてきた。



それが、大貫さんによって崩されていく。


逃げ道を塞ぐかのように……


右手に握りしめていた飛翔くんのライターを見ると、胸が熱くなり目がしらが熱くなる



たかが、ライター。
しかもパチンコ屋さんの。


だけど飛翔くんが手にしていたものだと思うと、そんなライターさえも大切にしたくなる。


こんなこと思うなんて、やっぱり結構きてるな、なんて思ってしまうけれど、


でも、そのライターを握りしめているだけで、少しだけ心が安らいだ。



「後、少し…負けてられない」



そう自分に言い聞かせながら、


次のお客さんの席へとボーイの後に続き移動した。



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